レッスン 2

全世界のアプリ市場の現状

スマートフォンを持つ人が世界中で増えていることから、アプリのダウンロード数と収益は今後も大幅な増加を続けると予想されます。このレッスンでは、全世界の状況をマクロレベルで確認するとともに、新興市場におけるトレンドを取り上げ、アプリの利用に関する地域ごとの大まかな違いについてご紹介します。

アプリ主導の市場における次の潮流(国別)

アプリストアからの直接的な収益は、アプリ市場の1つの要素にすぎません。アプリ内広告やモバイルコマース(モバイルでの商品やサービスの購入)から得られる収益も、同時に急速な成長を続けています。

2021年までに、インドネシア、ブラジル、インドが、中国および米国とともに、ダウンロード数でトップ5の市場になるとApp Annieは予測しています(このレッスンでいう「ダウンロード数」とは、全世界のすべてのアプリストアからモバイルデバイスに初めてインストールが行われた回数のことを意味します)。

これら5か国が、全世界のダウンロード数の54%を占めるようになるでしょう。この割合は、現在のダウンロード数の分布とは大きく異なっています。現時点ではダウンロード数がそれほど多くないいくつかの市場も、今後トップ5の国に迫る成長を遂げる可能性があります。

中国:抜きん出た成長

2021年までアジア太平洋地域は、ダウンロード数と収益の両方で世界最大規模の市場としての地位を維持するでしょう。その先頭に立つのが中国です(このレッスンでいう「収益」とは、世界の全アプリストアで消費者がモバイルアプリに支出した金額のことで、パブリッシャーに支払われる純収益のことではありません)。中国は年平均成長率19%で安定した成長を続け、消費支出は2016年から2021年にかけて24%増加する見込みです。

この地域の消費者は、エンターテイメント、特にゲームに支出する傾向があります。中国のスマートフォンゲーム愛好者は、現地のパブリッシャーを支持する傾向があります。そのため、この市場への参入を検討している場合は、クリエイティブ資産をローカライズし、地域でパートナーシップを構築することが非常に重要です。

中国のWeChatは、さまざまな面においてアプリの世界的なリーダーです。このソーシャルメッセージアプリは、8億8,900万人の月間アクティブユーザーに、料金の支払い、タクシーの呼び出し、お店の予約などの主な手段として利用してもらうことで、利用回数を伸ばしています。

インド:有力な地域として台頭

インドは、調査対象として特に興味深い市場です。スマートフォンの普及拡大により、南アジア地域はわずか5年間で驚異的な成長を遂げることになるでしょう。インドでは、2021年にダウンロード数が230億近くに達すると予測されています。現時点では、インドがアプリストアの収益で他の国をリードする気配はありませんが、年平均成長率は75%となり、2021年には収益が21億ドルに達するとApp Annieは予想しています。

成熟市場と比較すると、インドの購買力は、インターネットの品質が低いことやクレジットの利用が難しいことなど文化、経済、インフラ関連のさまざまな要因のために、著しく低くなっています。したがって、ディベロッパーがこの地域の大きな可能性を活かすには、販売以外で収益を得る方法(広告など)を検討する必要があります。

最近、人気の高いマッチング系アプリのTinderが、初の海外オフィスをインドのデリーにオープンしました。この動きについて、TinderはQuartzの取材に対し、「世界で最もダイナミックで活気にあふれた人々がいる場所」の1つがインドだと述べ、インドのモバイルの将来は明るいとの考えを明らかにしました。インドのモバイル市場が発展を続けるにしたがって、Tinderの先例にならう企業が増えると予測されます。

その他の注目すべき国

スマートフォンの利用とアプリの普及が進んでいる国は世界中にたくさんあり、中国とインドはそれらの国のうちの2つにすぎません。たとえば、日本は世界で最も収益性の高い国で、デバイス1台あたりの収益は、今後5年間で105ドル近くに達すると予想されています。アルゼンチンとブラジルも急速な成長を遂げているほか、韓国は世界で最もスマートフォンの普及率が高い国となっています

自社アプリのライフサイクルにおいて、現時点では世界展開の計画がない場合でも、世界のどれくらいの国がスマートフォンを熱心に利用し、アプリを日常的に使っているのかについて、常に関心を持っておく必要があります。

学習を続ける

次のレッスンでは、さまざまな業界におけるモバイルの利用状況を把握し、ゲーム、動画ストリーミング、小売といった業界ごとにそれらの相違点とチャンスについて学習します。

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