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エンゲージ戦略

レッスン 4

エンゲージメント指標:はじめに

ここまで来れば、アプリを定期的に利用してくれる安定したコアユーザーをすでに獲得しているはずです(まだの場合は、まずアプリの基本機能の改善ユーザーの獲得を進めることをおすすめします)。

また、目標を達成するためにユーザーに取ってほしい行動も明確になっていることでしょう。取り組みをさらに進めるべき段階です。

おさらいをしましょう。アプリは市場でリリースされてから期間が経つにつれて、新しいユーザーの獲得(+ダウンロード数の拡大)だけではなく、ユーザーのエンゲージメントの構築を平行して進めることが必要になっていきます。

忘れてはならないのは、最も重視すべき指標はビジネスゴールによって異なるということです。長期的には、各種の指標を集めることより、適切な指標に注目することのほうが重要になります。

重要な指標を判断する

  • 重要イベント

最初に行うべきは、アプリの重要イベントを見極めることです。重要イベントとは、ユーザーに行ってもらいたい、最終的な収益に極めて大きな影響をもたらす行動のことです。具体的には、購入、来店、一定数の記事の読了、アプリ内購入といった、アプリの成功にとって最も重要な行動が重要イベントです。

非常に具体的で明瞭なイベントを1つ明らかにするのがいいでしょう。そうすることで、その1つの目標を最大限に達成することにすべての労力を注ぎ込めるようになります。

例えば、瞑想アプリのCalmならば、ユーザーがアプリを使って瞑想コースを終了することが重要イベントです。一方、オンデマンドの食品配達アプリのInstacartならば、配達の予約が重要イベントになります。

重要イベントは複数に渡ることもあります。例えばUberなら、乗客と運転手の双方について、重要イベントを考える必要があります。とはいえほとんどのアプリは、特に最初は、重要イベントをひとつに絞り込み、ほかのどの取り組みにおいてもそれを基準とすることをおすすめします。新機能の追加であれ、ブランディングであれ、ユーザー獲得戦略であれ、すべてがユーザーに重要イベントの実施を促すような形で構築されるようにするべきです。

  • 利用状況の重要指標

把握しておくべき重要な指標として、ユーザーがアプリをアクティブに利用している頻度があります(日単位、週単位、月単位)。この「アクティブ」の意味は、アプリによって異なるので要注意です。

例えば、ソーシャルメディアアプリはほとんどが、日単位の重要イベントを中心に作られていて、日次アクティブユーザー数(DAU)が重視されています。

対象的に、Airbnbのような宿泊予約アプリだと、重要イベントは、コアユーザーで1か月に1回かもしれません。その場合、週間アクティブユーザー数(WAU)や月間アクティブユーザー数(MAU)に注目することのほうが多くなるでしょう。

何にいちばん力を注ぐべきなのかはアプリによって異なりますが、最もよく使われるエンゲージメントの指標は以下の3つで構成されます。

  • DAU: 1日に何人のユーザーがアプリをアクティブに利用しているか?
  • WAU: 1週間に何人のユーザーがアプリをアクティブに利用しているか?
  • MAU: 1か月間に何人のユーザーがアプリをアクティブに利用しているか?

アプリ開発を続けていくと、もっと進んださまざまな数字を追跡することが必要になります。その一部は今後のレッスンで取り上げる予定ですが、基本となるのはMAUやWAUに対するDAUの比率です。

残念ながら、最適なDAU/MAU比率をひとつに定義することはできません。ごく一般的には、DAU/MAU比率が20%を超えれば成功だと考えられていますが、最適な比率はカテゴリーやアプリによって大きく変わる可能性があります。また、DAU/MAU比率が低くても、さまざまなマネタイズ要因によっては、成功しているとみなせることもあります。

そのため、最終的には、DAU/MAU比率の増減をモニターすることになります。また、自社アプリにとって最適な目標比率の決定をサポートしてくれる、モバイルのリテンションに関する専門知識を持った人材の活用も検討しましょう。

  • セッション時間

セッション時間も、ユーザーエンゲージメントの重要な指標です。今日の目まぐるしいデジタル状況にあっては、ユーザーの時間を1分でも獲得できれば、それは祝うべきことでしょう。

ゲームアプリやNetflixのような動画ストリーミングアプリの場合、セッション時間(ユーザーがアプリをアクティブに利用した時間)が長くなるのは素晴らしいことです。Netflixのアプリに、エピソードが終了すると次のエピソードが自動的に再生される機能が搭載されているのはそのためです。このおかげで、セッション時間が長くなります。

一方、買い物アプリや配達アプリの場合、アプリにアクセスして買い物をしてアプリを終了するまでは、できるだけ速く進むのが望ましいでしょう。Domino’s Pizzaでピザを注文するのに時間がかかっているとすれば、それは注文処理が複雑であるしるしであり、売上の低下を招く恐れがあります。Netflixと違い、Domino’s Pizzaの場合、セッション時間は短いほうがいいのです。

 

アプリにアクセスするユーザーの数は? 頻度や利用時間は? こうした問いに答えを出せるようになったら、エンゲージメント戦略の大成功に着実に近づいています。

 

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次のレッスンでは、アプリのリテンションを取り上げます。

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