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エンゲージ戦略

レッスン 1

アプリエンゲージメントとは

ユーザー獲得キャンペーンの成功で、大勢のユーザーがアプリをダウンロードし、インストールしました。さて次は、そうしたユーザーに繰り返し使ってもらう方法を見つける必要があります。これは業界用語で「ユーザーエンゲージメント」と呼ばれます。

ユーザーエンゲージメントとは?基本的なレベルでは、アプリをダウンロードした人のうち、実際にアプリを使用する人の数を測定したものです。しかし、ユーザーエンゲージメントを本当の意味で理解するには、アプリの使い方(頻度、時間、深度、状況、理由)を測定する必要があります。モバイルアプリエンゲージメントのトピックは複雑になるので、ここではさわりを学べば十分でしょう。

さらに、アプリエンゲージメントの意味はビジネスのタイプによって異なります。 目標は、主要なビジネス目標に貢献するユーザーエンゲージメントに的を絞ることです。

AirbnbSnapchatでは、それぞれ重視するユーザーエンゲージメントが明確に異なります。

Airbnbは、宿泊予約数のような収益をもたらす指標を重視しています。ユーザーが1日にアプリを開いた回数やアプリの使用時間については、重要度が比較的低くなります。

一方、Snapchatのビジネスモデルでは、日々のアクセス数が重要です。その目標は、ユーザーの関心を集め、1日に何度も長時間使用してもらい、アプリの広告収益を積み上げることにあります。

SnapchatAirbnbは共に大成功を収めたアプリで、どちらも非常に人気がありますが、エンゲージメントに関しては重視する指標が異なります。そして、これはほんの2つの例にすぎません。次のレッスンでは、各種のエンゲージメントを掘り下げて、どこに重点を置くのがビジネスにとって得策か判断できるようにします。

アプリエンゲージメントが重要な理由

自社にとって最も重要な指標や統計情報(日々のアクセス数や決済件数など)が何であれ、それを測定するには、ユーザーが最初にアプリをダウンロードしてアクティブにしている必要があります。

つまり、アプリのダウンロードがなければエンゲージメントを得られない一方で、エンゲージメントがなければダウンロードがどれだけ多くても目標の達成に貢献しないのです。そのため、特に成熟したモバイル市場においては、アプリの長期的な成功の決め手として、アプリの利用状況の測定がますます重要になっています。

利用状況は新たな通貨

2016年、世界中でアプリに費やされた総時間は、9000億時間という驚くべき数字に達しました(Androidフォンの総時間、中国を除く)。

ユーザーがアプリに費やす時間には地域差があるものの、一般的な傾向として、より成熟したアプリ市場の国において、市場がダウンロード数を超えて拡大し、アプリ利用時間と収益の増加が進展しています。

一方、インドやインドネシアなどの新興市場では、引き続きアプリのダウンロード数が大幅に伸びています。ただしこれらの市場でも、ユーザーが好みのアプリに費やす時間を増やし、アプリエンゲージメントを高めるにつれ、今後トレンドが変化する可能性があります。

こうした状況は、多くの人々にとってアプリがすでに日常生活の大きな部分を占めていることを示しています。ユーザーは単にアプリをダウンロードしているだけではなく、アプリの中で生活しているのです。今後もこのトレンドは続き、アプリエンゲージメントは成長し続けるでしょう。

エンゲージメントはコスト効果が高い

重視しているのがAndroidアプリであれ、iOSアプリであれ、その両方であれ、新規ユーザーの獲得はアプリライフサイクルの中で最も重要な部分です。しかし、(前述のように、ユーザー獲得キャンペーンが成功したおかげで)大勢のユーザーがアプリに押し寄せてきたものの、アプリをほとんど使用しなかったら?あるいはさらに悪いことに、アプリを完全に削除してしまったら?

ダウンロード数に目を奪われがちですが、利用状況の指標にも同様に注目する必要があります。なぜでしょうか?それは、新規ユーザーの獲得コストが既存ユーザーの維持コストよりもずっと高いからです。計算してみましょう。

Chartboostなどが最近実施した調査と分析で示されたのは、新規iPhoneアプリユーザーを1人獲得するのにかかる平均コストが約3ドルで、アプリをダウンロードしたユーザーのうち90日後もアプリを使っているユーザーは平均でわずか2%だったことです。

これらの数字をもとに、ある企業が3万ドルを費やして1万人の新規ユーザーを獲得したとしましょう。しかし、月末の時点で残ったユーザーが200人であれば、エンゲージしたユーザー1人あたり150ドルも費やしたことになります。

同じ企業がエンゲージメント戦略の立案と実施に取り組み、それに成功したと仮定しましょう。こちらの結果は、アプリをダウンロードしたユーザーのうち、1か月後もアプリを使用しているユーザーの割合は前の2%に比べ、10%だったとします。

後者の例では、月末に1000ユーザーが残り、ロイヤルユーザー1人あたりのコストは30ドルになります。前者とは120ドルもの差があります。長期のユーザーが多いほど、コストは減り、収益は増える――これがエンゲージメントの価値です。

つまるところ、ユーザーエンゲージメントに注力せずに、ユーザー獲得とダウンロード数に集中することは、穴の開いたバケツに水を注いでいるようなものです。したがって、ユーザー獲得だけではなく、エンゲージメントもアプリの成功の決め手になることを肝に銘じましょう。

次のレッスンでは、各種のユーザーとエンゲージメント行動を検討し、どのエンゲージメントタイプを重視すればよいか判断できるようにします

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次のレッスンでは、各種のユーザーとエンゲージメント行動を検討し、どのエンゲージメントタイプを重視すればよいか判断できるようにします。

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