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サブスクリプション ― ゲームマネタイズにおける次の波

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有料ダウンロード、アプリ内課金、アプリ内広告に続き、アプリ内サブスクリプションがモバイルゲームのマネタイズの可能性を広げるのは確実です。

この数週間、ゲームの世界で大きな発表がいくつかありました。具体的には、Google StadiaApple ArcadeSnap Gamesなどが近日ローンチされるというものです。市場がゲームから収益を生み出す創造的な方法を探究するなか、企業は製品開発を通じてイノベーションを加速させるだけでなく、従来とは異なる収益モデルを通じて成長も加速させています。いずれの場合も、モバイルはゲーム業界の成功を拡大することにおいて非常に大きな役割を担っています。

ゲームはこれまで常にモバイルの基礎的なカテゴリーの1つでした。新市場でモバイルの普及が進むとき、往々にしてゲームはダウンロード数と収益の増加を達成する最初のアプリであり、過去10年でモバイルゲームは劇的に成熟してきました。2018年における世界のアプリストア消費支出は1010億ドルに達し、その74%をゲームが占めました。そしてモバイルゲームの消費支出は、家庭用ゲーム機、PCゲーム、携帯型ゲーム機の支出を合計した金額より優に20%も上回っています。ゲームは収益の巨大なシェアを占める一方で、成長の余地もまだ十分にあります。とりわけ、モバイルが消費支出の市場シェアで優位を保つ状況では、さらなる成長が見込まれます。

ゲームのマネタイズが近年遂げた大きな進化

モバイルゲームが進歩したこの数年間で、ゲームのマネタイズも大きな進化を遂げました。以前は、最も成功したゲームの多くが主に有料ダウンロードを通してマネタイズしました(例:Angry BirdsPlants vs. ZombiesScrabble)。それは、他のゲームプラットフォームで最も一般的なマネタイズ戦略を移植したものでした。2009年、Appleは無料アプリによるアプリ内課金を解禁しましたが、フリーミアムブームが起きるのはそれから2年後のことです(例:Candy Crush SagaClash of ClansThe Simpsons™: Tapped Out)。これによりパブリッシャーは、各ユーザーから一回限りの購入代金を得る代わりに、一部の大口ユーザー(概して大金を支払うゲーマー)から長期の収益機会を得られるようになりました。2018年、モバイルゲームの消費支出の95%以上が、依然としてアプリ内課金を提供するゲームからもたらされました。

2014年までは、アプリ内広告がカジュアルゲームのマネタイズ手段としてはるかに有力で、支出傾向が比較的低い市場では特にそうでした。アプリ内広告によりパブリッシャーは、大勢のオーディエンスにリーチでき、また、ゲーマーのコストを広告主からの収入で埋め合わせることができました。今度は、Ketchappのようなゲーム会社が、短いセッションのゲームを幅広く取りそろえることに着手しました(例:2048StackKnife Hit)。そうして、ゲーマーにそれらのゲームを行き来させることで、自社ポートフォリオのマネタイズの可能性を高めたのです。2018年には、FortnitePUBG MOBILEKnives Outのようなバトルロイヤルゲームの人気が急上昇しました。このジャンルにおける強力なソーシャル要素は、単にクロスプラットフォームの壁を打ち破るのに役立っただけでなく、ゲームを別のソーシャルメッセージングの形式に変化させました。

 

“2018年、モバイルゲームの消費支出の95%以上が、依然としてアプリ内課金を提供するゲームからもたらされました。”

 

2019年の第2四半期を迎えた今、ゲームパブリッシャーのレパートリーにサブスクリプションが加わることは、モバイルゲームマネタイズの次の波を表します。Google StadiaApple Arcadeは、サブスクリプションベースのゲームプラットフォームの最前線に位置付けられます。

パブリッシャーの収益とゲーマーのエンゲージメントに新たな道を開くサブスクリプションゲーム

サブスクリプションは長きにわたり、アプリストア収益の成長の一翼を担ってきました。その主力である音楽と動画ストリーミングのサブスクリプションは、iOS App Store2011年に始まりました。ゲームのサブスクリプションを介したマネタイズは、モバイル全体の収益を拡大するだけでなく、多様なゲームが新たな方法でユーザーにリーチしエンゲージすることを可能にします。例えば、短いセッションやアプリ内課金を想定していないゲームでも、今後はモバイルで大きい成功を達成するチャンスが高まるでしょう。このことは、モバイルとPCおよび家庭用ゲーム機の境界を一層あいまいにするのを後押しするはずです。そうなれば、PCゲームや家庭用ゲーム機に親しんできた人も、モバイルゲームのサブスクリプションを始めたり、対価を払ったりするようになるでしょう。サブスクリプションはまた、新たなオーディエンスがVRARのゲームを試せる入口になる可能性があります。消費者は高価なゲームを購入するという壁を感じることなく、比較的新しい利用スタイルであるVRARのゲームを前もって試せるからです。

幅広い体験を提供して毎月定額課金するサブスクリプションモデルは、アプリストアの管理下にとどまりながら収益源を一層安定させる手段でもあります。このことは、確立されたアプリストアのエコシステムのでマネタイズすることを決めた大手数社によって、アプリストアが受ける損失を埋め合わせるのに役立つでしょう。より直接的なプラットフォームの関与は、非伝統的なゲームおよびゲーム装置の利用しやすさ、量、質の向上をもたらす可能性があります。同様に、排他的プラットフォームに特化し、動画や音楽のストリーミングと共存するコンテンツの台頭とにつながるかもしれません。これらのサービスをサブスクリプション利用するモチベーションはまた、コンテンツを超えて広がり、オンラインゲームのプレイ方法、ソーシャル共有、ストリーミングにおける進化を通じて、エンゲージしたユーザーのコミュニティー構築につながる可能性もあります。

 

モバイルゲームに次に来るもの

モバイルゲームはこれからも市場を席巻し続けます。モバイルの黎明期から重要な柱だったアプリカテゴリーにさえ、常に成長とイノベーションの機会があります。ゲームにおけるサブスクリプションモデルの普及は長年噂されていたものの、このマネタイズモデルがゲームコンテンツ自体とともにゲーム市場の状況を変えるのにどう寄与するのかは、興味深い見ものになるでしょう。

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この記事は、連載中の「モバイルの現在」シリーズの一環です。同連載では、最新ニュースや、モバイルの変革が方向づける業界予測について、App Annieのインサイトを毎週お届けしていきます。ご期待ください。

2019 M05 21

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