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LINEマンガの新たなステップ。使われ続ける電子コミックサービスに必要なものとは

App Annie

事業分社化、サービスの大型リニューアルも

グローバルにおけるプレゼンスをますます高めるLINEグループ。Top Publisher Award 2018ではグローバル10位にランクインしました。なかでもダウンロード数2,000万を突破した電子コミックサービス「LINEマンガ」は、好調を維持しています。同サービスを手掛けるLINE Digital Frontier株式会社で執行役員を務める平井漠氏と、App Annie Japanの向井俊介が、「LINEマンガ」の2018年を振り返りました。

成長する電子コミック市場。サービス外でタッチポイントを増やすことも重要に

向井:Top Publisher Award 2018で、「LINEマンガ」が、収益国内2位(非ゲーム部門)を受賞されました。おめでとうございます。

平井:ありがとうございます。「LINEマンガ」は昨年、大きく売上を伸ばすことができましたが、その背景には、電子コミック市場自体が伸びていることもあったと考えています。ここ数年で「スマートフォンでマンガを読む」という認知がユーザーに広がり、より一般的になりました。今後も、市場の伸び率より高い成長率を維持しながら、電子コミック市場全体を盛り上げていきたいと思っています。

向井:2018年は、貴社にとってさまざまな変化があった年だったのではないでしょうか。

平井:経営面でもサービス面でも大きな変化がありましたね。前者では、7月に「LINEマンガ」の事業が親会社のLINE株式会社から分社化しました。NAVER WEBTOON Corporationと資本・業務提携を行い、事業の新たなスタートを切ったところです。後者では、6月にサービスの大型リニューアルを実施し、23時間経てば無料で次話が読める新機能を「無料連載」に追加しました。

向井:そうした変化があったなかで、困難だったこともありましたか?

平井:サービスの大型リニューアルについては、これまでのサービスに慣れ親しんでいたユーザーからネガティブな意見もいただきました。「LINEマンガ」もおかげさまでたくさんのユーザーに使っていただくようになり、影響の大きなサービス改修に踏み切る際には、なかなか勇気がいるようになってきています。とはいえ、改修はサービスがステップアップしていくためには避けて通れないものです。今後も、改修を含むサービスの改革にあたっては、その都度丁寧にデータを分析して方向性を検証しながら、スピード感を持って決断していくことが求められると考えています。

向井:2018年は、ユーザーにおける余暇の過ごし方・アプリの使い方に複数の新しい傾向が見られた1年でもありました。そうした生活者の行動変容についてはどのように受け止めていらっしゃいますか?

平井:今、サービスやコンテンツは世にあふれていて、そのなかでユーザーが日常的に使うアプリはたった数個ということもよくいわれていますよね。ですので、パブリッシャーはユーザーが自らアプリを立ち上げて使ってくれるのをただ待つのではなく、こちら側からユーザーに働きかけていかなければならなくなってきています。電子コミックサービスでいえば、最適なコンテンツをユーザーにプッシュしたり、サービスの外で作品とユーザーのタッチポイントを作ったりするのが、使われ続けるアプリになるために重要だというのが我々の考えです。

向井:例えば、貴社ではどのような取り組みをされているのでしょうか?

平井:最近の取り組みでは、コミュニケーションアプリ「LINE」と連携し、「LINE」アプリ内でも作品を読めるようにして、タッチポイントを増やしています。また、作品が更新されたときには「LINEマンガ」のLINE公式アカウントからトークでユーザーに通知していますね。ユーザーへの働きかけに関しては、こうしたグループ間連携がひとつのカギになっていると思います。

 

発掘した作品の力とマッチングの精度が読者数・継続率を左右する

向井:サービスにおいて重要視しているKPIは、読者数や継続率などでしょうか。

平井:おっしゃるとおりです。ただ、例えば「1サービス=1コンテンツ」であるゲームとは違い、電子コミックサービスにはさまざまな作品、つまりコンテンツがあり、コンテンツごとに状況が違うため、サービス運営の難しさを感じることもあります。

向井:なるほど。具体的にはどのように各コンテンツを管理しているのでしょうか。

平井:例えば、継続率はどの作品にも共通の指標として設定しているのですが、その継続率が伸びなかったとき、作品ごとにデータを見て、原因を検証するようにしています。なぜなら、それは単に作品が面白くないという事ではなくて、読者と作品のマッチングが上手くできていないために発生している場合もあるためです。

向井:ひとつ目の「作品の力」でいうと、コンテンツのラインナップの拡充が重要になってくると思います。そのための作品や作家の発掘はどのようにされているのでしょうか。

平井:読者数や反応が多いといった数値的な実績だけでなく、編集部との相性や、その作品・作家が持っているポテンシャルも加味してピックアップしています。読者数や売上といった表面的な数値実績だけでは特定のカテゴリやジャンルの作品に寄ってしまい、結果として多様な読者のニーズをカバーできない事になると考えています。たとえ幅広い層に読まれなくても、特定の読者層に熱狂的なファンがいるような作品はとても素晴らしいですし、そういった作品もラインナップとして集まる事で結果として多様な読者ニーズに応えていく事になると思いますので、数字には表れない感性や人間味の部分も大切にしています。ですので、数字には表れない感性や人間味の部分も大切に作品・作家を探しています。

向井:ふたつ目の「マッチング」については、やはりユーザーの講読データや継続率といった数値データを活用して、レコメンデーションエンジンなどにおけるマッチングの精度を意識的に向上させているのでしょうか。

平井:そうですね。たとえよい作品が掲載されていても、ユーザーが作品に出会わなければ何も始まらないサービスですので、マッチングを最適化していくのは当然だと思っています。

 

どんなユーザーでもマンガを楽しめ、どんなマンガにも読者が付くプラットフォームへ

向井:2019年以降の展望について教えてください。

平井:ユーザーに対しては、引き続き「LINEマンガ」というサービスの価値を我々自身が適切に見出して、楽しんでもらえるプラットフォームを作っていきます。同時に、出版社や作家にとっても、作品の発表の場としてより魅力的なプラットフォームになるのが目標です。

向井:読者にとっても作家にとっても魅力的な電子コミックプラットフォームというと、例えば従来の有名マンガ雑誌のように、ユーザーにとっては「『LINEマンガ』を開けば自分好みの作品がある」、作家にとっては「『LINEマンガ』に掲載されれば箔が付く」といったサービスを目指すということでしょうか。

平井:少年誌、青年誌のように特定のカテゴリにフォーカスしたサービスを目指しているわけではないのでマンガ雑誌と比較するのは適切ではないかもしれません。「LINEマンガ」は、あらゆるジャンルの作品が掲載され、あらゆるユーザーに読んでもらえるサービスになることを目指しています。ユーザーにとっては「多様なマンガがそろっているから、誰でも自分が夢中になれる作品が見つかる」、出版社や作家にとっては「LINEマンガで作品を発表すればたくさんの読者に読まれて適切な収益が還元される」というプラットフォームを実現したいですね。

2019 M03 12

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