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ユーザーリテンションを改善する秘策:Match Group

App Annie

マッチングアプリを提供するMatch Groupがユーザーの離脱を減らすために実行した施策を解説します。

ユーザーの離脱を減らすことは、技術であると同時に、科学でもあります。このシリーズでは、ユーザーリテンションの改善についてインサイトを得るために、業界のリーダーたちからお話をうかがいます。

今回は、ユーザーリテンションのエキスパートであり、Match Groupで製品・分析・デザイン担当シニアバイスプレジデントを務めるSushil Sharma氏と、モバイル製品ディレクターのRam Reddi氏の2人にインタビューしました。両氏はともに、世界有数のマッチング系アプリを強化する機能の開発を担当しています。さっそく、ユーザーをアプリに繰り返し呼び戻すための戦略をうかがいましょう。

App Annie(AA):リテンションの向上にアプリ開発者が実行できることは何ですか?

Sushil Sharma氏(SS):アプリ開発者は、ユーザーが毎日使いたくなるような機能を開発すべく努力し、リリース時にはその機能が目玉になるようにすべきです。

リテンションを最適化するためにアプリ開発者ができる最も重要なことは、ユーザーをアプリに呼び戻すプッシュ通知の設計です。Matchでは、誰かがプロフィールに興味を示したときや、マッチした相手を評価するタイミングが来たときに、ユーザーにプッシュ通知を送信します。

AA:ユーザーがMatchアプリから離脱しやすいタイミングはどのようなものですか?

Ram Reddi(RR):アプリに慣れてもらうオンボーディングの段階で多くのユーザーが離脱するケースを見てきました。しかしこのプロセスは、できるだけ最適な相手をユーザーに紹介するために一定の情報を集めることが目的です。同時に、検索用データベースの新しいプロフィールに、写真、ユーザー情報、マッチング相手に求めることなどの内容が確実に含まれるようにする必要があります。短い時間に大量の情報が処理されるのです。    

離脱を減らすために、私たちはオンボーディングの流れを画面ごとに分析し、主な離脱ポイントを特定します。それからテストを繰り返し、離脱率を下げる方法を見つけ出します。ユーザーの心理的負担と優れたマッチング体験のバランスをとることは、科学でもあり、技術でもあるのです。

AA:ユーザーのリテンションを改善するために、どのようなA/Bテストを実施していますか?

SS:すべての主要な機能と変更点を徹底的にテストします。テストはユーザーが好む機能だけを導入するのに役立つ上、ユーザーの行動をより深く理解することにもつながります。
テストで問題がよく見つかる箇所は、オンボーディング、課金、アプリのナビゲーション、プロフィールの設定、検索、そしてプッシュ通知です。私たちは改善に向け調整を続けています。

Match Group

OkCupid、Tinder、MatchはMatch Groupの代表的なアプリです。

AA:アプリのユーザーをどのように分類していますか?さまざまなユーザーに対してどのような区分を設けているのでしょうか?

RR:大まかに言うと、ユーザーは無料ユーザーと課金ユーザーの2つのグループに分けられます。そこから、無料ユーザーを新規登録ユーザーと再登録ユーザーに分けられます。この2種類の無料ユーザーについて分析するため、さらに細かく分類します。分類基準はインストール後にアプリを開く頻度で、1日後、2週間後、1カ月後といった具合です。課金ユーザーは、新規の課金ユーザーと既存の課金ユーザーに分類してます。

このような分類で、Matchのアプリ体験の各段階で特定のユーザーのニーズに対応するための機能を、より簡単に開発できるようになります。私たちはユーザー獲得プロセスを全体的に捉えることに成功しています。

AA:自社アプリにとってロイヤリティの高いユーザーとは、どのような人ですか?あるユーザーのロイヤリティが高いかを判断する指標はありますか?どのようにユーザーを区分するのでしょうか?

SS:マッチング系製品として、私たちはユーザーができるだけ早く良い相手を見つけ、利用を終えることを望んでいます。私たちにとっての「ロイヤリティの高い」ユーザーとは、短期的な利用ではあっても、マッチング相手を評価し、脈のある相手からの関心に適切なタイミングで応えてくれる人です。

私たちは、サイトでの活動と会員ステータスに基づいてロイヤリティを区分します。これは新規ユーザーを分類するのと同じやり方です。

AA:リテンション率と離脱率のベンチマーク分析はどのように実施していますか?特定の外部ツール、リソース、あるいは手法を使っていますか?

RR:App Annieの『Intelligence』を使って、ダウンロード数、エンゲージメント、新規リリースに関して、競合アプリとの比較を行っています。その後、社内ミーティングでこのデータについて議論し、製品のために実行できる取り組みを推進します。

私たちは週に2回、競合相手のダウンロード数、エンゲージメント、アプリリリースをモニターしています。App Annieのおかげで、そうした作業が驚くほど簡単になりました。

AA:よろしければ、リテンションやエンゲージメント率を改善した例を教えていただけますか?  

RR:私たちは最近、米国の一部地域で位置情報機能を使った機能をテストしました。目的は、会員の好みに合い、近くにいるユーザーを見つける新しい方法を提供することでした。その結果、この機能を試したユーザーのエンゲージメントを、少なくとも20%改善することができました。

AA:高いリテンションを維持するために、来年はどのような戦略が登場すると思われますか?

RR:AIと位置情報を利用したプッシュ通知でしょう。Pokémon GOは、まったく新しい仕掛けで高いリテンションを獲得した製品の良い例です。

AA:リテンションのモニターや改善に役立てるために、あればいいと思う技術は何かありますか?それは近い将来実現しそうなものでしょうか、それとも夢の技術でしょうか?

SS:ユーザーが実際に離脱する前に、その日を予測してくれる魔法のような技術ですね。これが私の夢です。

RR:Sushilの夢が実現するまでは、集団レベルでリテンション曲線を監視し、予測できるモデルの構築を続けるつもりです。

より良いアプリビジネスを構築しましょう

競争力のあるアプリリテンションデータをビジネスに活用する方法を学びましょう。今回の事例のような分析を行い、アプリ市場をより詳しく理解する方法を知りたい方は、App Annieの『Intelligenceの詳細をお問い合わせください。

Sushil Sharma Sushil Sharma氏(製品担当シニアバイスプレジデント):Sushil Sharma(スシル・シャーマ)氏は現在、Match.comとMatch Affinityの両ブランドを包括する製品の責任者として、製品、デザイン、分析を統括しています。以前は、Zynga、Sears、Travelocityでさまざまな管理と技術の役職を歴任し、ゲームのマネタイズ、モバイル、技術関連の業務に取り組んできました。Sharma氏は、テキサス大学アーリントン校でコンピュータ科学の修士号を、シカゴ大学ブースビジネススクールでMBAを取得しています。
Ram Reddi

Ram Reddi氏(モバイル担当ディレクター):Ramanand Reddi(ラム・レディ)氏は、ゲーム、eコマース、SaaS、マッチング系サービスといった分野で、9年以上にわたり製品管理に取り組んでいます。Reddi氏が率いるモバイル製品チームは、Match.comとMatch Affinityの両ブランドに関して、iOS、Android、モバイルウェブを対象とするあらゆるイニシアチブを監督しています。以前は、ZyngaとStorm8でゲーム関連業務に4年間取り組み、新製品イニシアチブとポートフォリオ管理を監督していました。主要なフォーカスエリアは、製品開発、消費者リテンション、グロースハッキング、マネタイズと技術開発です。

2016 M10 3

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