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第2回:ヘルスケア・フィットネス〜保険業界のモバイルアプリ市場トレンド

App Annie

グローバルの視点から、健康促進とモバイルアプリのトレンドをご紹介します。

前回は日本のアプリ市場で現在展開されているヘルスケア・フィットネス、メディカル関連アプリのランドスケープを確認してきました。第二回はヘルスケア関連アプリで先進的な米国を中心にグローバルの状況を見ていきます。

日本と米国の非ゲームアプリ市場(ゲームを除いた全アプリ対象)をマクロ視点で見た場合、両国の各アプリストア支出額は約3.5倍の差がありますが、興味深いのは、ヘルスケア・フィットネスカテゴリだけに絞って見た場合、両国の間には約25倍もの違いがあります。つまり、米国人はヘルスケア・フィットネス関連のアプリを愛用し、多くの課金までしているということになります。

これは単純に米国の方が人口が多いから、という理由では帰結しないトレンドです。では両国ではどのようなアプリがヘルスケア・フィットネスのカテゴリにランクインしているのでしょうか?下図は10月31日時点の日本・米国のストアランキングです。

日本・米国に共通してランクインする傾向があるものとしては、生理管理やダイエット・運動管理をサポートするアプリです。日本で言えば、ルナルナやあすけんダイエットであり、米国ではFloやMyFitnessPalになります。そして、米国を始めとした欧米で人気になっているジャンルに「瞑想(メディテーション)」があり、CalmやHeadscapeが無料ダウンロードやトップセールスランキングに入ってきています。

●世界市場を見据え、柔軟的な戦略が必要になる

ヘルスケア・フィットネスの代表格になった腕につけるIoTデバイスをみた場合、日本とアメリカでのアプリ利用状況には大きな違いが見れられます。App Annieのデータを見ると、日本では、Fitbit、Garmin Connect、Nike+Run Club、Runtastic Running & Fitnessの4つのアプリが、ほぼ同程度の利用水準で推移してきているが、米国はFitbitの利用が高く、ついでMyFitnessPalの利用が高い状況です。

IoTデバイス連携のアプリ利用は一つの例だが、米国では瞑想(メディテーション)アプリが人気になっているような状況を踏まえてみると、これまでの業界の常識に囚われることなく、日本市場だけを見据えてビジネスを検討するのではなく、世界市場を見据えて進めていくことも大事な視点になります。実際に、中国・北京発のオンラインホームフィットネスアプリKeepは、テンセントなどから巨額の出資を得て、世界市場への展開を目論み事業を進めています。米国のiOSヘルスケア・フィットネスカテゴリの無料ダウンロードランキングでは2018年10月頃からKeepがトップ10に入ることもみられるようになってきています。

●トレンドは、継続利用を促進させるインセンティブとホームフィットネス

現在、各国で人気を得ているアプリの特徴をみると、何かしらのインセンティブ提供が一つにあります。米国や英国など欧米ではSweatCoin、韓国ではCashwalk、日本ではFiNCが継続利用を高める一環としてポイントやインセンティブを設ける事で利用者に人気を得て、2018年からそれぞれの国でダウンロードランキングの上位に入るようなっています。もちろんインセンティブは一つのフックに過ぎませんが、App Annieの利用データから、それぞれのアプリの継続利用率や起動率をみてもパフォーマンスが高く、自分が運動して消費したカロリー分だけポイントになるという点がモチベーションに繋がっている事が推察できます。

もう1つの特徴は「ホームフィットネス」です。アプリを通して、気軽に、最適化されたプログラムを受けれるサービスが欧米を中心に広がりが出てきています。前半で記載したCalmもその一つで、自宅などで行うマインドフルネスとして人気があり、アプリストア支出額では米国をはじめ世界各国でトップセールス上位にランクインしています。驚くのはその国の数で、1位は平均18ヶ国、5位は平均54ヶ国もの国でランクインしており、世界的なニーズがある事が分かります。このアプリは瞑想や睡眠への誘導など、自分をリセットするためのサービスがパッケージ化されていて、1ヶ月または年間単位でサブスクリプションでサービスを受けることができます。前述のKeepやこのCalmアプリに見るように、世界市場での展開を見据えて進めていくことも大事な視点になります。

自分自身の健康管理にアプリを利用する事が少しずつ広まりを見せてきており、今後は運動や健康領域のプレーヤーに限らず、異業種の参入も期待されています。そのような状況で、自社の提供しているサービスをモバイルアプリを絡めた内容へ改良していく事がいいのか、全く違うかたちで取り組むのが良いのかは別にして、まずは生活者のタッチポイントとして最も消費時間が多い座を獲得したアプリ領域にて、今どのようなサービスが受け入れられているのか把握する事が第一のステップになります。そのうえで、自社の強みと柔軟性、未来のヘルスケア・フィットネスシーンを想像してみると、進むべき方向が見えてくるのではないでしょうか。

 

第1回記事「注目が集まる健康促進と日本のモバイルアプリ市場のトレンド」はこちら

 

2018 M12 26

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