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東南アジア:ショッピングアプリ新たな戦いの舞台

App Annie

東南アジアのモバイルショッピングの動向に着目し、いかにしてアジアのテクノロジー大手にとって競争の激化する市場となったのかを分析します

2017年夏、東南アジア諸国のモバイルショッピング大手は、お祭り気分の消費者をターゲットにしたモバイル販売キャンペーンを展開しました。同地域における都市部ミドルクラスの台頭を裏付けるように、東南アジアはモバイルアプリパブリッシャーにとってダイナミックでありながら投資に見合う市場として、急速にその地位を確立しています。

App Annieは今年4月、重要な新興市場としてのこの地域の躍進ぶりを簡単に紹介していました。今回は、東南アジアのモバイルショッピング業界の動向をさらに詳しく分析し、文化的に多様なこの市場が、アジアのテクノロジー大手の新たな戦いの場となっている現状にスポットを当てたいと思います。

AlibabaTencentのような中国のテクノロジー大手は、その勢力範囲を広げるため、国際市場に熱い眼差しを向けています。文化的、地理的な近さに加えてテクノロジーに親しんでいる人の多い東南アジアは、そうした中国の大手にとって最新のターゲット市場になっています。

 

理想のパートナーを見つけた中国のAlibaba

 

Lazadaは6市場のうち4市場でランキング首位に

 

iOS App StoreとGoogle Playを合計した第2四半期のダウンロード数と収益において、東南アジアで上位を占めた6市場(タイ、マレーシア、フィリピン、ベトナム、インドネシア、シンガポール)を見ると、Lazadaが6市場のうち4市場において、iPhoneとAndroidフォンを合計した平均MAU(月間アクティブユーザー数)ランキングの首位に立ちました。App Annie『Intelligence』によると、タイ、ベトナム、フィリピンなどの市場で、Lazadaの平均MAUはこの期間、第2位のショッピングアプリを2倍以上も上回っています。

中国のAlibabaは2016年4月、東南アジアに強力な足場を確保するべくLazadaの単独最大株主になることでこの地域に進出しました。さらにAlibabaは2017年6月、Lazadaに10億ドルを追加投資して、持株比率を51%から83%に引き上げることを決定したと発表しました。こうしたAlibabaによる投資は、Lazadaの規模の大きさによって正当化されます。Lazadaによると、同社アプリは現在、2500のブランドにまたがる1億5000万種類以上の商品を扱い、出店者の数も12万にのぼります。さらに、この地域全体で14ヶ所の配送センターを運営しています。

近年、LazadaAlibabaの巨大なグローバル資源を活用する傾向が強まっています。最も注目すべきは、特選品を扱う「Taobao Collection」を東南アジアの消費者向けに開始したことです。この新しい試みは、中国のTaobaoTmallというAlibaba傘下のオンラインマーケットプレイスが扱う商品を大量に追加することによって、Lazadaの商品ラインを拡充することを目指しています。この取り組みは、Lazadaの顧客に利益をもたらしただけでなく、Alibabaのグローバル戦略にとっても、理にかなった次の一歩となりました。

Lazadaは東南アジアの消費者向けにTaobao Collectionを開始

 

また2017年8月には、AlibabaTokopediaにおいて11億ドルで新たな投資ラウンドをリードしたことが明らかになりました。Tokopediaは、インドネシアにおける2017年第2四半期の平均MAUで首位のショッピングアプリです。この投資は、同地域に対するAlibabaの関心が高まっていることを明確に示しています。人口2億6000万という巨大市場のインドネシアにおいて、Tokopediaは2016年2月にiPhoneとAndroidフォンの合計MAUでLazadaを上回り、それ以降ずっとリードを保っています。

Tokopediaはインドネシアで鉄道乗車券販売などの新たな分野に進出

 

インドネシアで台頭するShopee

 

Tokopediaの成功に続いてもう1つ、インドネシアの市場を席巻している注目すべきモバイルファーストのオンラインマーケットプレイスが存在します。Tencentの出資を受けているSea(旧社名Garena)がわずか2年前の2015年に正式リリースしたShopeeは、すでにインドネシア、タイ、ベトナムを含む東南アジア数ヶ国で忠実なユーザーを獲得しています。このアプリによって、東南アジアでは手軽に越境ショッピングができるようになりました。また、出品手数料をとらない方針のおかげで、売り手の間でも人気が急上昇しました。Shopeeは2017年第2四半期、インドネシアにおけるiOSとGoogle Playを合計したショッピングアプリのダウンロード数ランキングで首位に立ちました。

Shopeeは顧客に幅広い決済方法を提供

 

競合アプリと同様に、Shopeeのモバイルアプリも地域性に合わせた機能を複数備えています。東南アジアにおけるショッピングアプリに共通するのは、現地のインフラに合わせた幅広い支払いオプションを提供していることです。例えば、今回取り上げたアプリはいずれも、バーチャルウォレット、代金引換払い、近隣のコンビニエンスストアでの支払いなど、既存の決済方法のほぼすべてに対応しています。東南アジアでは多様な支払いオプションを提供することで、より多くのモバイル消費者をアプリに引きつける可能性が高まります。

 

モバイルショッピングは注目の分野

 

東南アジアのオンラインショッピング業界は、完全にモバイルを取り込みました。現時点では、中国大陸の代表的なモバイルイノベーターといえるテクノロジー大手が、同地域のモバイルショッピング分野に進出しています。ただし、競争はそこで終わりではありません。Amazonは2017年7月、シンガポールでAmazon Prime Nowをローンチし、東南アジアへの初進出を果たしました。同国のPrime Nowは、幅広い種類の商品を対象に、2時間以内の配達を提供しています。世界最大級のモバイルショッピングアプリのこうした動きは、東南アジアの競争レベルを大幅に引き上げました。こうした競争の激化は、より革新的なモバイルソリューションの登場につながることでしょう。

App Annieは、これから年末にかけてモバイルショッピング業界に引き続き注目し、11月に控えた今年のブラックフライデー(11月の第4金曜日)、オンラインレボリューション(11月~12月)、独身の日(11月11日)の各商戦を詳しく分析する予定です。

 

主要なモバイルショッピングアプリが成功を収めている方法については、小売アプリの成長に関するApp Annieのレポートをお読みください。世界のモバイルショッピング業界の動向について、App Annieが近く公開予定のレポートもご期待ください。

2017 M10 10

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