2017年のB2C分野でメッセージングが成長するものの、チャットボットのインパクトは限られた範囲にとどまるでしょう。

App Annieは、2017年の企業から消費者向け(B2C)分野でメッセージングが成長するものの、チャットボットのインパクトは限られた範囲にとどまると予測しています。App Annieは最近公開した『2017年アプリトレンド予測で、2017年に大きな影響があると見られる10のトレンドについて解説しています。

チャットボットとは数年前から出回っています。しかし、大々的に取り上げられるようになったのは、ソーシャル企業とメッセージング企業の大手がこの分野に投資を始めた2016年初めのこと。それまでチャットボットの会話は事前に用意したものでしかなかったですが、人工知能(AI)が使われるようになり、業界が大いに沸きました。議論の中心は、主にメッセージングアプリで、会話によるインターフェイスで取引や購入ができる「会話型コマース」と呼ばれるコンセプトでした。そこで前提とされていたのは、チャットボットで各種サービスをスムーズ提供できるようになり、ほかのアプリを開いたりダウンロードしたりする必要がなくなるというものです。しかし2016年末には、現在の性能で出来ることよりも、はるかに期待が高かったことが明らかになりました。

会話によるインターフェイスが過大評価されている可能性も高く、会話を介さないオンデマンド経済の躍進がそれを証明しています。オンデマンドの相乗りと食べ物の配達のスタートアップが急激に成長しているのは、ひとつには会話をGUIに置き換えているからです。ユーザーは、レストランやタクシー会社に直接連絡するのではなく、スマートフォンを数回タップするだけで注文できます。アプリのGUIによって、可能なすべての選択肢が画面上に表示されるため、使う側は決めやすくなります。これはつまり、会話はコマースから摩擦を取り除くのではなく、摩擦を増やしうるということです。

チャットボットの知能はいまのところ限定的だとはいえ、企業が素晴らしい顧客体験を届ける上でメッセージングが依然として大きな役割を担っています。ただ、これは今ある会話のさらなる効率化によってのみ実現されうるのであり、現在会話がないところにチャットを当てはめようとしても無理があります。

この見方をとると、顧客サービスや販売後のサービスを変える潜在力がメッセージングアプリにあるのは明らかです。現在、顧客サービスの多くはまだコールセンターを通じて行われており、顧客は自分の時間からサービスを受けるための時間を作る必要があります。メッセージングアプリでリクエストを取り扱うようになれば、ユーザーは顧客サービス担当者と非同期でやりとりする(つまり、都合がいいときに会話を始め、会話を続ける)ことができます。また、顧客サービスの担当者が複数のリクエストを同時に扱えるようになり、コスト削減になる可能性もあります。チャットボットは一定の役割を担えるとはいえ、2017年に人工知能の性能が顧客サービスの会話を完遂できるまで洗練されることはないでしょう。チャットボットの用途は引き続き、適切な担当者への案内や通知に限定されそうです。

Facebook MessengerWhatsApp MessengerとFacebookページとの連携を強めることで、FacebookがB2Cメッセージングをリードしていくでしょう。この2つのメッセージングアプリはそれぞれ、2016年12月時点で月間アクティブユーザー数が約10億人います。この2つをあわせると、東アジアを除く世界のメッセージングアプリ市場の過半数をカバーしており、実装上の課題は最小限になるでしょう。これによりB2Cメッセージングの採用が迅速に進むことで、多くのアプリがこれに続き、結果としてまたひとつの分野がモバイルアプリによる変容を遂げるでしょう。

さらに詳しく知りたいですか?App Annieの『2017年アプリトレンド予測』をぜひご覧ください。

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注:

  • App Annie Intelligence』 は現在、iOS App Store とGoogle Playに対応していますが、Amazon Appstoreなどの他のアプリストアについては推計値を提供していません。iOSとGoogle Playは、多くの国のアプリ市場でほとんどのシェアを占めていますが、一部の国では異なる場合があります。例えば、中国ではサードパーティーのAndroidアプリストアが大きな割合を占めています。.
  • App Annie Usage Intelligence』のスマートフォンとタブレットに関するデータは、実在する多数のユーザーから収集したモバイル利用状況データを、別の独自のデータセットを組み合わせて算出したものです。
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