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Mobile App Strategy

モバイル小売の巨大グローバル企業から学べること

App Annie

小売アプリが世界的な成功を収めるには、素晴らしいアプリ体験、積極性、そして創造性が必要です。

モバイルで事業を行っている小売業者なら、グローバル展開するかどうかという極めて重要な判断に直面したことがあるかもしれません。真剣に考えるにたる理由はいくつもあります。たとえば、モバイル小売は過去最大の1年を迎えようとしており、モバイルショッピングアプリの利用時間が世界各地で明らかに上昇しています。具体的には、App Annieのレポート『小売アプリにおけるデータ活用』で見たように、ショッピングアプリの1人あたりの月間利用時間は韓国が100分間に迫っており、イギリスや米国なども約50分です。こうしたデータが示すように、ユーザーが買い物を済ませるために小さなモバイル画面に向かう時間が増えるなか、大きなチャンスが生まれているのです。

 

小売アプリが国際展開で成功するために必要なこと

 

どんな野心があろうと、これまでにどれだけ成功していようと、認識しておく必要があるのは、デジタル小売の2大巨頭であるAlibabaとAmazonが驚くほど積極的なモバイル戦略によって、世界の多くの買い物客が最初にアクセスするアプリとなることに成功しているという点です。特に、スマートフォンで初めてインターネットにアクセスしたユーザーたちについては、アプリがリーチとコンバージョンをもたらし、早々にそうした状況になりました。現在、AlibabaとAmazonはグローバル支配を競っています。この2社は、単にモバイルに進出したわけではありません。最高のモバイルショッピングを確実に提供することで、競合アプリをけ散らしていったのです。Alibabaのローカライズ版アプリは主要9カ国のうち6カ国で、またAmazonのローカライズ版アプリは7カ国で、それぞれデジタルファーストアプリの平均MAUトップ5に入っています。現在、両社のアプリが1つもトップ5に入っていない主要市場は韓国だけです。韓国では、Coupang11stのような国産アプリ志向が続いています。

 

AlibabaとAmazon:新しい地域に果敢に進出し成功を収める

 

気まぐれなウォッチャーは長年にわたり、AmazonとAlibabaの勢力図は、少なくとも大部分の地域においては、これまでどおりに保たれると予想してきました。Amazonは米国市場と欧州市場に注力し、中国企業のAlibabaはアジアに集中するだろうというわけです。しかし、もちろんそのような展開にはなっていません

Alibabaの西側向けアプリAliExpressは2017年上半期に急速な成長を達成しました。iOSとGooglePlayの合計世界ダウンロード数が5000万件を超え、前年同期比で80%増を果たしたのです。現在、AliExpressはオーストラリア、フランス、ドイツ、イギリス、および米国でスマートフォンMAUのトップ5を確保しています。注目すべきは、AliExpress が2017年上半期に米国で大きく躍進しAmazon Prime Nowより上位に入っている点です。2016年のブラックフライデーには、米国で初めてモバイルショッピングが10億ドルを達成しました。2017年のブラックフライデーでは、モバイル小売の相当部分をAliExpressが獲得することになりそうです。

 

 

一方のAmazonは、(米国でしか販売していないところが多い)小売業者が国際市場へ進出する際にAmazonを利用することを狙い、容易に導入できるサービスを提供。また、シンガポールを通じて東南アジアに大きく展開しています米国では今年のプライムデーに、AndroidフォンのAmazonアプリが650万時間近く使われ、2016年のプライムデーから60%も増加するなど新記録を達成しました。プライムデーはほかの国でも好調です。イギリスでは、今年の プライムデーにAndroidフォンのAmazonアプリが使われた時間が、2016年のプライムデーから70%増加し、予想を上回りました。イギリスの消費者は、この日だけで優に40万時間を超える時間をこのアプリに使ったのです。これは、プライムデーに先立つ30日間の1日あたりの平均利用時間と比べると、320%増加している計算になります。

同様に日本でも、プライムデーにおけるAndroidフォンのAmazonアプリの総利用時間は、前年比で65%と激増しました。プライムデーとその前日をあわせると、日本の消費者がAndroidフォンのAmazonアプリ内で買い物をした合計時間は、200万時間という驚異的な数字にのぼります。

 

地域の小売業者(特に実店舗型の小売業者)が、モバイル分野でデジタルファーストの世界的リーダーとの厳しい競争に直面していることは事実ですが、だからといって、彼らがモバイルを諦めて撤退するべきだとは限りません。世界的企業から学べることはたくさんあります。具体的には、小売アプリはグローバルに展開できるということ。小売アプリのグローバル化は莫大な収益をもたらしうること。そして、実店舗型の小売業者の場合、海外進出に際しては、店頭でのビジネスを除外してデジタルだけに注力すればいいということです。

 

グローバル化に成功しているのは大手だけではない

 

「言うはやすし」と思うかもしれません。何しろ彼らはAmazonとAlibabaであり、モバイルにおけるグローバル展開で成功を収められるのも当然といえば当然です。しかし、大手2社以外にも、実店舗型とデジタルファースト型の両方で、多くの小売業者が世界進出を果たし大成功を収めているのです。創業6年になる米国のデジタル専業小売業者、Wishを例にとってみましょう。それまで大きな注目を集めていなかったものの、米国のAndroidにおける平均MAUが、2017年上半期には2016年上半期から45%の大幅増となり、ユーザーあたりのセッション数も同期間中に15%増加しました。さらに同期間中、Wishはオーストラリア、フランス、ドイツ、イギリスの利用時間ランキングで順位を上げました。オーストラリアでは、2017年上半期のデジタルファースト小売アプリのMAUランキングで1位を獲得しています。

Wishは、アプリのグローバル展開にあらゆる努力を惜しまないだけでなく、新興市場でのブランド認知獲得に優れた創造性を発揮しています。Wishが最近、NBAのロサンゼルス・レイカーズのジャージに同社のロゴを入れるため、年額1200万~1400万ドルで3年契約を結んだことは、決して適当な思いつきではありません。この動きはおそらく、米国の消費者に自社ブランドを印象づけるだけでなく、中国の消費者にもアピールすることを狙ったものです。北米プロバスケットボールリーグのNBAは中国でも大人気で、Tencentが中国のスポーツファン向けにNBAの試合を――もちろんモバイルで――配信するようになったほどです。

アプリを通じて自社ビジネスをグローバル展開するとなると、多くの小売業者が多少の不安を覚えるのも当然です。ローカライズは、ほぼすべてのアプリパブリッシャーにとって大きな課題です。とはいえ、ローカライズは不可能ではありませんし、その見返りは自社ビジネスを一変させる可能性を秘めています。自社アプリのローカライズを準備するといっても、その多くは企業が普段から行っていることと変わりありません。具体的には、市場を評価し、ターゲットオーディエンスを確定し、競合アプリの動きを把握して、アプリストアにおける自社アプリのプレゼンスを最適化する、といったことです。これらのステップを実行し、そこへ多少の勇気と創造性を加えたら、グローバル展開の準備は整ったようなものです。

 

小売アプリがグローバル化に向かっている現状を理解していただけたでしょうか?トレンドとベストプラクティスをさらに詳しく学び、国際展開の成功を確実なものにするために、App Annieの最新レポート『小売アプリにおけるデータ活用』をぜひご覧ください。

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2017 M11 4

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