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”パクリ”アプリはなぜ人気を獲得するのか?

App Annie

アプリ市場においても、「真似は最大の賛辞」です。Pokémon GOClash Royaleのような人気アプリとほとんど同じようなアプリが、開発された国以外のさまざまな地域で登場しています。このような後追いのアプリはなじみやすいために注目を集めやすく、相当な規模のユーザー基盤を築いています。App Annieでは今回、俗に「クローンアプリ」と呼ばれる後追いアプリが開発される背景と、こうしたアプリが受け入れられるアプリ市場、そして大人気アプリのパブリッシャーとなった企業がクローンアプリの影響を軽減するための方策について分析しました。

なぜクローンアプリが人気を得るのか

後追いアプリが出現する理由はさまざまですが、たいていは、本来ならオリジナルのアプリをダウンロードしていたようなユーザーを横取りすることが目的です。

  • ユーザーが待ちきれない:アプリによっては、初回リリースが一部の国や地域でしか行われないため、他の国の潜在的なユーザーが苛立ちを募らせることになります。(その一例がPokémon GOです)。
  • オリジナルのアプリ開発者がローカライズのノウハウを欠いている:アプリがリリースされた市場であっても、ローカライズが不十分なためユーザーがそのアプリの翻訳に戸惑っていることがあります。また、ユーザーはインストールをためらいながらも、アプリのローカライズが(テキストと機能の両方で)十分なレベルに達するまで待っていられないことがあります。そのため、現地の開発者がすばやく便乗して同じようなアプリを開発するチャンスが生まれるのです。
  • 現地パブリッシャーと提携するチャンスを逃した:ローカライズと同じように、ある地域で有名なパブリッシャーであっても、他の地域では無名な場合があります。現地の信頼できるパブリッシャーと提携する機会を無視すれば、アプリの普及率が減少することになりかねません。
  • 人気アプリと統合できない:主要なアプリ(今や完全にプラットフォームだと言えるアプリもあります)と提携しないことが、アプリの普及率に大きな影響を与えてしまう可能性があります。たとえば日本では、モバイルゲームをLINEに統合しなければ、アプリのリーチや入手しやすさで後れを取ることになるでしょう。

成功を収めるクローンアプリ

クローンアプリはモバイルゲームアプリで見られる傾向がありますが、アプリストアでは他の多くのカテゴリーで模倣アプリが出現しています。Pokémon GOのモノマネアプリが早くから見られたことも、驚きではありません。Pokémon GOがリリースされたのは限られた国でしたが、世界中のプレイヤーがこのゲームで遊びたいと考えていました。中国では、こうしたニーズに応えるために、拡張現実(AR)技術も主要なゲーム要素もそっくりなCity Spirit Goがすぐに制作されました。Snapchatは、欧米では今やミレニアル世代の日常に欠かせない存在の1つとなっていますが、アジアの国々では人気を得られていません。しかし韓国では、SNOWというアプリが開発され、同国の好みに合ったフィルターとスタンプを作成するという手法を取り入れて成功しました。

SNOW

Snapchat

SNOW(上)の機能は、Snapchat(下)とよく似ていますが、センスがアプリ市場によってどれほど異なっているかを示しています。

SNOWは、日本、韓国、中国で大きな支持を得ており、これらの地域でアプリ全体のトップ10に食い込んでいます。新しい地域でアプリを成功させるには、ローカライズに取り組み、文化の差を重視することが重要です。App Annieでは、『Usage Intelligence』を利用して、ユーザー属性に関するインサイトに注目してみました。すると、韓国のSNOWでも米国のSnapchatでも、女性ユーザーが多く、25歳から44歳の年齢層に好まれる傾向が見られました。このことから、同じような主要機能が似通ったユーザー層を引き寄せていることがうかがえます。

SNOW rank history

SNOWはアジアでランキングの上位を維持していますが、米国では今も人気を得られていません。

アジアでは、欧米のアプリを解釈しなおして改変を加えるという手法で、地元の文化的な違いによりうまく対応したアプリが登場する傾向が続いており、slither.ioClash Royaleだけでなく、Tinderの後追いアプリさえ登場しています。同じような機能を持つアプリをすばやく開発することで、アジアのパブリッシャーは、成功がすでに実証されているアプリのコンセプトを活用して、未開拓のオーディエンスを獲得しているのです。

アプリの独自性を維持する

  • 何よりも現地を重視する:後追いアプリはアジア各地で急増する傾向が見られます。アジアのどこかの国でアプリのリリースを計画しているのなら、その地域の文化に精通した現地のチームに大きく投資し、美的感覚と機能、そしてコンテンツに関して、何がうまくいき何がうまくいかないのかを学んでください。また、地元のパブリッシャーとの提携を活用してアプリを配信する方法を検討し、他の企業がこの機会に便乗する可能性を低下させることを狙いましょう。
  • タイミングがすべて:初回リリースの計画にあたっては、競合企業に自社のアプリをまねされないようにするために、他の複数の主要市場でも同時かもしくは時間を置かずにアプリをリリースするようにしましょう。
  • 差別化を図る:簡単にまねされないような機能や人気の高いIPを活用して注目を集め、ブランドへの認知度や忠誠心の向上につなげましょう。Pokémon GOを見ればわかるように、パブリッシャーがクローンを作成できたとしても、IPのライセンスがなければオリジナルと比べて見劣りしてしまいます。

あらゆるベストなローカライズ戦略を実行したとしても、どこかの企業に自社とそっくりのアプリを開発される可能性はなくなりません。イノベーション以上に、クローンアプリの開発と成功を阻止する確実な解決策はないのです。製品の多様化、機能のアップデート、そして世界に通用するユーザー体験の提供を続けることが、自社の取り組みを単にまねするパブリッシャーとの差別化につながります。

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2016 M09 2

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