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アプリ2大重要指標:インストール普及率と起動率

App Annie

アプリの現状とパフォーマンスの理解に欠かせない2つの指標について、知っておくべきことをまとめました。

アプリの重要指標であるインストール普及率と起動率を理解する

 

多くの企業にとって、アプリはもはや必須の存在です。世界のアプリ利用時間はこの2年間で倍増し、平均的なユーザーがアプリに費やす時間は1日あたり2時間となっています。2021年には、アプリの総利用時間が3兆時間を突破する見込みです。

アプリの利用拡大は、顧客をエンゲージする今までにない機会を企業にもたらしています。しかし多くの企業にとって、アプリが新たなエンゲージメント用ツールとなったのは、比較的最近のことです。あらゆる新しいアプローチと同じように、アプリを最大限に活用するには、新しいスキルと新しい技術を採り入れ、新しいパフォーマンス指標を理解することが必要です。さまざまな企業が他社に遅れまいと必死で努力しているなか、アプリ経済で先行すれば競争上の大きなアドバンテージを得ることができます。

App Annieは、アプリをリリースしてアプリ経済に適応しようとする企業をサポートしています。そこで、インストール普及率と起動率という2つの重要なアプリパフォーマンス指標について解説したいと考えました。この記事では、その2つの指標がどのようなものなのか、(2つの指標を個別にまたは組み合わせて分析することで)どのような解釈が可能なのか、そして最も重要なことですが、競合他社に関して何がわかるのかについて説明いたします。

 

インストール普及率

 

インストール普及率とは?

アプリのインストール普及率とは、日常的に利用されているスマートフォンやタブレットのうち、選択した市場で所定の期間中に該当アプリがインストールされたデバイスの割合のことです(アプリを利用しているユーザー数とみなすことができます)。

たとえば、2017年10月に、ある市場で日常的に使われているデバイスが100台あったとしましょう。そのうちの5台にアプリがインストールされた場合、2017年10月時点で、その市場におけるアプリのインストール普及率は5%となります。

 

このデータからわかることと、その原因

結局のところ、インストール普及率は、他のアプリと比べてアプリのユーザー獲得戦略がどれだけ成功したのかを示す数値です。

ただし、インストール普及率が市場のデバイス数に左右される点を考慮する必要があります。デバイスの総数が増えれば、インストールされているデバイスの割合は小さくなります。そのため、理論的には、アプリのインストール数自体は変わらないのに、インストール普及率が下がる現象が起こりえます。しかし本当に望ましいのは、アプリの新規インストール数が、市場に存在するデバイス数を上回るペースで増え、インストール普及率が継続的な上昇傾向を示すことです。

 

インストール普及率の例

あるカジュアルゲームは、ランキングでは上位につけているものの、インストール普及率が徐々に低下しています。このような低下は、ほとんどすべてのゲームで起こることです。再エンゲージメント戦略を継続的に行ったり、新機能を追加したりしても、ユーザーの関心はいずれ離れていくからです。しかし、(自社アプリや競合アプリの)インストール普及率の低下に関するデータを、自社のために活用することができます。たとえば、競合アプリのこうした傾向を観測することで、そのアプリへの関心を失いつつあるユーザー基盤からできるだけ多くのユーザーを獲得するために、自社アプリのリリースやユーザー獲得戦略のタイミングを調整できます。

起動率

 

起動率とは?

起動率とは、該当アプリがインストールされているデバイスのうち、所定の期間中にそのアプリが1回以上起動されたデバイスの割合のことです。

 

たとえば、2017年5月に、あるアプリがインストールされているデバイスが50台あったとしましょう。そのうちの25台でアプリが少なくとも1回起動された場合、2017年5月時点で、その市場におけるアプリの起動率は50%となります。

 

このデータからわかることと、その原因

起動率は、アプリのユーザーのエンゲージメントを示す尺度です。理想的な起動率はアプリによって異なりますが、起動率の上昇は一般的に、ユーザーがアプリを再び利用したくなる要因が増え、ユーザー基盤のエンゲージメントが高まっていることを示しています。また、トラフィックが多くなる期間や少なくなる期間を起動率から判断することもできます。このようなデータは、マーケティングROIを追跡するため、またユーザー数を増やすシステムを作成するために不可欠です。

 

起動率の例

App Annieは以前、英国のある目抜き通りにある小売店のアプリで、毎週水曜と木曜にユーザーの利用が必ず増えることに気づきました。この小売店は、水曜と木曜に特別なプロモーション活動を実施しているわけではありません。そのため、これは顧客のオーガニックな活動と考えられます。この小売店も競合店も、水曜と木曜に顧客の関心が高まっているこの状況を活用できます。たとえば、この2日間は、目玉商品の販売を開始したりプロモーションを展開したりするのに最適な時期なのかもしれません。店舗の露出と収益を最大限に高められる可能性があるからです。

 

インストール普及率と起動率を組み合わせて活用する

 

インストール普及率と起動率は、どちらもたくさんの情報を企業にもたらします。しかし、これから紹介するように、両方を同時に分析したり、ほかの指標と組み合わせて分析したりすれば、アプリのパフォーマンスや顧客の行動について、より全体的な視点を得ることができます。

 

ケーススタディ1 – 競合の小売企業が成功した理由を知る

 

ビジネス上の疑問

米国のある小売企業(A社)は、アプリのユーザーエンゲージメントを高めたいと考えています。そこで、競合の1つで、実店舗を持つ米国の有名な小売企業(B社)を調べたところ、同社の月間アクティブユーザー数が2015年後半から2倍以上に増えていることがわかりました。A社は、その要因を把握し、自社が再現できるかどうか知りたいと考えました。

 

分析

詳しく調べた結果、B社のアプリは、iPhoneにおける毎月の起動率も、35%から80%強に増えていたことがわかりました。このことは、ユーザーが増えただけでなく、エンゲージメントも向上していることを示しています。

このアプリの更新履歴を調べたところ、起動率の増加は、定期的に行われる大規模な機能更新の期間に起こっていることがわかりました。これらの更新はすべて、ユーザー体験の向上を狙ったもので、彼らの戦略は成功を収めているようです。

しかし、インストール普及率を調べることで、さらに多くのことが明らかになりました。同じ時期に、毎月のインストール普及率は、10%から8%に低下していたのです。これは、新しいユーザーの獲得ペースが、スマートフォンユーザー全体の増加に追いついていないことを示しています。したがって、B社はユーザー獲得の取り組みがうまくいっていない可能性があります。ただし、起動率が急増したことを考えると、同社がより関連性とエンゲージメントの高いユーザーに狙いを絞っている可能性の方が高そうです。

 

 

結論

B社のアプリ戦略は非常に成功していると思われるため、まねてみる価値はありそうです。A社は、ユーザー獲得戦略に必要な情報を得るために、競合他社が導入した機能や狙っている対象について、さらに調査を進めることができます。

 

ケーススタディ2 – インストール普及率と起動率から、ゲームの季節イベントと更新の成果を把握する

 

ビジネス上の疑問

あるゲーム開発企業(A社)は、最も人気の高いゲームの寿命を延ばすために、全体的なユーザー数を継続的に増やす効果的な戦略を探っています。

そこで、取り組みを始める前に、類似アプリが実施している戦略の成果を見きわめたいと考えました。そうすれば、自社の取り組みに必要な情報をさらに入手し、不適切なアプローチにお金や時間やリソースを浪費するリスクを減らすことができるからです。

 

分析

A社は、人気の高い競合他社(B社)のオンラインゲームで、インストール普及率が徐々に低下し、この数年間で20%下がっていることに気づきました。このゲームは、新しいユーザーの獲得ペースが、市場全体の成長に追いついていなかったのです。

これはモバイルゲームでよくある現象です。多くのパブリッシャーは、新機能の追加やプロモーションイベントによってユーザーの獲得を促進し、既存のユーザー基盤の再エンゲージメントを実施し、ゲームを延命させようとします。B社のゲームもまさにそうでした。B社は、2016年12月に数多くの新しいゲーム機能とアイテムを追加。また、対戦プレイの新シーズンを開始しました。

しかし、この戦略をまねれば、A社が目指しているユーザー数の継続的な増加につながるのでしょうか。それを明らかにするため、インストール普及率と起動率をアプリストアの収益と組み合わせて分析し、B社のテコ入れ策のROIを把握することにしました。

その結果、B社は該当ゲームの起動率が持ち直し、収益も急増しましたが、それに対しインストール普及率は上昇していないことがわかりました。テコ入れ策は、既存ユーザーの一時的な再エンゲージメントとマネタイズには成功したものの、ユーザー基盤を大きく拡大できるほど新規インストール数は増えなかったようです。

 

 

結論/次のステップ

B社のアプローチは、A社が求めているような効果をもたらしませんでした。エンゲージメントは高まりましたが、その効果は持続しておらず、さらに詳しい調査が必要なことは明らかです。次のステップとして、分析対象の見直し(エンゲージメントが長期的に増加したゲームを対象にする)を行えば、適切で効果的な戦略を見つけられる可能性が高まるかもしれません。A/Bテストを実施し、トライアンドエラーを繰り返すことになるでしょう。インストール普及率と起動率を注意深く観察していくことで、正しい方向にきちんと進んでいるかどうかということがデータの裏付けからわかるようになります。

 

今後の展開

 

アプリ経済のパフォーマンスを評価するために重要なこの2つの指標について、理解を深めることができたでしょうか。しかし、これは始まりに過ぎません。モバイル戦略にアプリが必要な理由や、かつてないほど競争が激化しているアプリストアでアプリをうまくマーケティングする方法など、App Annieの記事やリソースをぜひご覧ください。さらに詳しいアプリデータをご利用になりたい場合は、今すぐApp Annieに登録してください。無料でご利用いただけます。

2017 M11 5

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