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小売業界においてアプリ活用を成功させるために重要な視点

App Annie

1日に平均約3時間使われるアプリ。それをいかに小売ビジネスに役立てるかについてご紹介します。

今や、ショッピング時や外食時、様々な所で目にする「アプリ」という文字。2016年の日本国内におけるスマートフォン世帯普及率が7割を越え、App Annie Intelligence (アップアニー・インテリジェンス)のデータによると1日平均約3時間がアプリに費やされています。そこで世界中の企業がこぞってアプリをリリースし、自社のビジネス拡大に繋げようと切磋琢磨しています。

 

現在の小売アプリはクーポン、キャンペーン、ディスカウントによる活用が中心

 

現在、日本における小売業界のアプリには、ポイントカード、店舗検索、チラシ、チェックイン、ECといった様々な機能が搭載され、企業毎に特徴のあるアプリが溢れています。多くの企業にとってアプリ利用の目的は、最終的に自社の売上を伸ばすことですが、直接的にはクーポンやセール等といった「ディスカウント」キャンペーンの周知及び展開のための利用になっているのが実態です(図1)。

図1-1: 丸亀製麺におけるキャンペーン施策とアプリDAUのトレンドの関係

 

図1-2: 31cLub (サーティーワンアイスクリーム)
クーポン施策とDL数/WAUのトレンドの関係

 

小売企業のアプリに対する期待

 

さらに小売企業の多くには、自社マーケティング活動のデジタル化を推進する中で、生活者に対してワントゥワン(One-to-One)マーケティングを実現すべく、生活者に関するデータをアプリ経由で取得したいという狙いもあります。これはアプリを通して誰が、いつ、どこで、どのコンテンツにどの程度の時間接触し、どういった行動を取るのか、どのような層または条件において購買に繋がりやすいのかを知り分析する事を目的としています。テレビ等のコマーシャルを放映した後、生活者がモバイル及びアプリではどのような行動に出るのか、などがその一例です。

また、実店舗やオンラインなどあらゆる所で顧客と接点を繋げ、生活者に購入の経路を意識させないオムニチャネルの考え方が業界内に広がったことにより、小売企業の多くが一貫性のある顧客体験の提供に向けて試行錯誤を日々繰り返しています。その点において、アプリは企業と生活者の間の距離「ラスト・ワンフィート」を埋めるチャネルとしての役割が期待され、生活者のアプリ利用時間が伸びると同時にアプリ上の良質な顧客体験がオムニチャネルの成功を左右する傾向が高まってきています。

 

MUJI Passportを扱っている株式会社良品計画 WEB事業部長の川名氏は、アプリに対する期待を以下のように語っています。

「今は単純に集客やCRMを目的として、会員証を提示する、メディアとしてコミュニケーションを図る、という位置づけが大きいですが、アプリを使って、決済だってできるし、店内を案内するみたいな話とかもできる。」

「もっと購買の体験を変えていくために、アプリだからこそできることがあると思っている。ブランドとそれを取り巻くものとの橋渡し役になれるような機能をアプリには期待します。」

 

日本における小売業界のアプリ環境とマクロトレンド

 

2015年11月、AppleのApp Storeにおいて「ショッピング」カテゴリが新設され、多くの小売業のアプリがリリースされました。日本国内全体のアプリ新規ダウンロード数は2016年から2017年にかけて-3%と僅かに減少していますが、ショッピング関連は+10%で成長トレンドを保っています(図2)。

図2: 日本のアプリ市場全体とショッピングカテゴリのダウンロード数増減トレンド
(2016年Q1の数をそれぞれ100とした場合のインデックス値)

 

小売業界のアプリにおける潜在的な問題は「生活者/利用者目線」

 

App Annie Intelligenceによると日本におけるアプリ平均利用本数は月間35個、一日あたり9個であり、使われるアプリの数が限られているので「ダウンロードされれば必ず利用される」と安易に考えてはいけない状況です。小売ビジネスにおける競争を勝ち抜く為には、リリースしたアプリであっても、生活者が多用する傾向にあるゲームやSNS、便利ツールやエンタメ等の業界外のアプリに費やされる時間と生活者の利用動向を注視し、可処分時間の競争に打ち勝つ必要があります。利用動向データを確認する事なく「企業目線かつ、担当者の先入観、経験さらに勘」でアプリを企画し運用することは、生活者のアプリ利用離れを招き最悪の場合アンインストールされるアプリを生み出すリスクを高める事につながるでしょう。

これらの点について、下述の通りさらに詳しく説明したいと思います。

 

リスクその1:業界内のみでの情報収集

App Annie (アップアニー)開催のDECODEイベント等を通じて、小売業界においては業界誌やコミュニティ、SNS含めた人的なネットワークを通じて様々な情報が広く共有されている事が頻繁に語られています。例えば、米Amazonの動きや欧米等海外の小売企業の顧客体験の変化の情報、業界内の課題認識も活発に議論されていると報告されています。

では、ここで共有される事があまりない不都合な事実とは一体何でしょうか?生活者目線での現状をApp Annieのデータでみてみると、2017年一年間を通じて日本国内の利用時間トップ10のアプリ中に小売企業のアプリは1つもランクインしていないという事実です。「利用されないサービスは存在していないのと同じ」という事も頻繁に語られますが、生活者によるスマートフォン利用へのパラダイムシフトが進行するなか、小売アプリにおいても、市場全体のアプリ利用において一定のシェアを占める事が、一層重要になってくると言えます。言い換えると、「小売業界内におけるセオリー」よりも小売に限らない「あらゆるアプリ利用を成長させるセオリー」を把握し実行に移す企業が成功の確率を高められると言えます。

 

リスクその2:インターネット検索経由のみでの情報収集

インターネットで情報検索するにあたって、検索連動型の広告やSEO対策といった「マーケティング活動」によって取得できる情報に違いが出ることは周知の事実だと思います。検索サイトの運営会社も情報の質に応じて検索結果が連動するように対策をとっていますが、「いかに費用を投下したのか」によって情報到達の度合いが変わる事もあり、検索後に上位にある情報が必ずしも上質な情報ではない、という事になります。

アプリに関して言うと、以下のようなキーワードを検索してみるとどうなるでしょうか?

 

これらの検索を試すと、全てではありませんが、ソリューションを提供している企業や一般ユーザーのブログ等に到達したりします。これらのサイトで人気アプリが取り上げられている場合、客観的な市場データに基づいた結果ではなく、個人的な嗜好やアプリ運営企業からの広告費等、恣意的に取り上げられている場合があります。App Annie Intelligenceでそれらのアプリについて調べた場合、「ダウンロード数も少なく、利用状況も少ないアプリ」だと判明する事も少なくはありません。

こういった情報のみを頼り、自社の小売ビジネスにおける重要なチャネルとしてアプリを企画運用することの潜在的なリスクがおわかりかと思います。逆説的に言えば、どのアプリがユーザーに利用され、どのような生活者の行動がアプリ利用の成長に紐付いているのかを理解することで、自社ビジネスゴールへの最短距離を走ることができるとも言えます。

 

App Annie Intelligence (アップアニー・ インテリジェンス)製品でわかること

 

App Annieでは、国内外のアプリのダウンロード数や利用人数、利用時間や利用回数、起動率、ユーザー属性情報等のデータを提供しています。アプリのリリース時期が早く、店舗数が多い事で結果として累計ダウンロード数が多いアプリが、必ずしもビジネスで成功しているアプリということではありません。どのアプリが1人1人に多く使われ、ユーザーエンゲージメント・ユーザーコミュニケーションに使われているのかを定量的に根拠のある数値をもってベンチマーキングをし、自社のマーケティング施策にインプットしていくか、が重要になると考えています。

これによって、多くダウンロードされているものの使用されていないケースを参考にしたり、企業として著名で巨大なもののアプリを注視したり、また巷に流れている玉石混交の情報を元に「なんとなく」対象アプリの良い悪いを信じてしまったりすることがなくなります。ゴールが新規ユーザー獲得なのかリテンション向上なのかCVR向上なのか、は企業によって異なりますが、いずれの場合でも自社アプリの成功に向けて失敗リスクを最小化し、成功機会を最大化することができるようになります。

 

App Annieでは世界中のモバイルアプリ市場のデータをトラッキングし、事業戦略や投資、マーケティング活動に役立てる情報を提供しております。ご興味のある方はお問い合わせください。

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2018 M03 13

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