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メルカリが米国ランキングで急上昇!その要因は?

App Annie

日本は海外のアプリパブリッシャーにとって攻略が難しい巨大なモバイル市場であることは以前から知られています。逆に、日本で大成功を収めたアプリも、その多くは国外ではかなり苦戦しているのが現状です。

しかし、注目すべき例外がいくつかあります。テクノロジー企業では2016年最大規模のIPOになったメッセージアプリのLINEはそのひとつでしょう。より最近の例では、eコマースアプリのMercari(メルカリ)が先ごろ米国で注目を集めています。同アプリは7月28日、米国のiOS App Storeの総合ダウンロード数ランキングで急上昇し、2013年2月のリリース以来初めて3位に入ったのです

Mercari Rank History United States

メルカリは7月26日以降、米国のiOS App Storeランキングで急上昇しました。

メルカリはさらに、ASO対策を実施し、これまで「Mercari: Anyone can buy & sell」だったアプリ名を、最新アップデートで「Mercari: The best shopping marketplace to buy & sell」に変更しました。App AnnieのASOツールを使って分析したところ、このアップデートにより、最新アップデートから6日以内に同アプリはiOSの「ショッピング」というキーワードでの検索結果で16位に急上昇しています。

ASO Mercari Keywords United States

メルカリの米国iOS App Storeにおけるキーワード「ショッピング」での検索順位は最新アップデート(7月26日)後に急上昇しました。

3年前に設立され、最近では日本の新たなユニコーン企業(評価額10億ドル以上の非上場企業)ともてはやされるメルカリは、いわばC2Cのモバイルフリーマーケットです。ユーザーが売りたい商品の写真を投稿し、購入者は価格と送料を交渉します。

メルカリは、国内にモバイルファーストの有力な競合アプリがなかった日本でたちまち人気を獲得しました。そして2016年3月、米国へのサービス拡大に向けてシリーズDラウンドで7400万ドルの資金を調達しました。しかし、そもそもメルカリが成功した要素は何なのでしょうか。そしてその要素は、これまでのところ成功している世界展開においてどの程度再現されているのでしょうか。

モバイルファースト戦略

メルカリが最初に成功を収めた背景には、ヤフオク!や楽天オークションといったオンラインオークションがもともと日本で人気を博していたことがあるでしょう。ちなみに、メルカリCEOの山田進太郎氏は、大学在学中に楽天オークションの立ち上げに参加した経歴の持ち主です。

しかし、メルカリはシンプルで実用的なモバイルファースト戦略で従来プレイヤーとの差別化を図りました。ヤフオク!は無料で出店できる一方で、販売を完了させるのに数日〜数週間かかります。これに対し、メルカリは出品者と購入者双方の取引プロセス全体を簡素化・合理化することに成功しました。

CEOの山田氏は、インタビューで次のように語っています。「スマホの時代に、オークション終了まで2~3日や1週間待つのは長過ぎます。また、今はかなり改善されていますが、当時は落札後の出品者との住所やお金のやりとりの煩雑さや、過去の詐欺事件でついてしまった「怖い」というイメージも強かったと思います。」

メルカリは、ユーザーが直面していた取引上の諸問題を簡略化しました。既存の古く使いづらいウェブサービスと異なり、メルカリは出品者が売りたい商品の写真をアップロードするだけで(写真はInstagramに似たフィルターで編集が可能)、すぐに商品が売りに出されます。

購入者はワンクリックで購入でき、購入するとただちに販売が終了、支払いはアプリ内からのクレジットカード決済、全国にあるATMやコンビニエンスストアでの現金払いのほか、「メルカリポイント」や自身の販売で貯まった売上金を使用することができます。

またメルカリは、日本の宅配便事業大手であるヤマト運輸と提携している点もサービスの差別化につながりました。商品が購入されると、出品者は購入者の住所のQRコードを受け取ります。これを印刷して梱包時に利用するので、プライバシーが気になる消費者が出品者に個人情報を渡す必要がなく、また、日本有数の物流会社の発達したインフラを利用することができます。また、通常はヤマト運輸のドライバーが出品者の元へ集荷にくるので、出品者が手間をかけて荷物を発送する必要がなく、手続きがさらに簡略化されます。

 

ローカライズ

日本のアプリは概して文章が多く、情報過多に見えがちですが、メルカリは見た目がシンプルでわかりやすく、英語を母語とする人が見ても直観的です。
Mercari Shopping United States Simple

国際市場に合わせ、メルカリはシンプルで直観的なショッピング体験を提供しています。

支払いに関してはBraintree Paymentsと提携しており、日本におけるエンド・ツー・エンドの物流モデルはUSPSおよびFedExとの提携によって再現しています。

2016年夏の躍進

シリーズDの資金調達後、メルカリは米国の特にソーシャルメディア関連のマーケティングと人材獲得に資金を投入しました。それを活かし、4月から積極的なソーシャルメディア広告キャンペーンを実施しましたその結果、モバイルアプリのインストール数が51%増加し、CPI(インストール単価)が30%減少しました。「一時的にですが、日本の数字のプライオリティは低く置き、”アメリカが取れればいい”と考えています」とCEOの山田氏は述べています

山田氏は7月末、ソーシャルメディアのインフルエンサーとそのネットワークを対象にプロモーションコード配布を積極的に実施して成功した米国でのマーケティング戦略について語りました。「普通にフォロアーが多い人ですね。Twitterとかで異常にRTされてたり、どうもSnapchatで広まったりもしてるっぽいです」と山田氏は述べています。

こうしてメルカリの好調は続いています。7月27日には米国のiOS App Storeで3位にまで順位を上げました。

以上のようにメルカリは、明確なモバイルファースト戦略で既存プレイヤーから差別化を図るということ、巧みなソーシャルマーケティングによってネットワーク効果を利用すした実例となっています。日本のパブリッシャーはまだまだ世界的な成功を得るのに苦戦していますが、メルカリの最近の快進撃は、日本のパブリッシャーが国内での成功を活かしてアメリカンドリームを実現させる可能性もありうることを示唆しています。

 

2016 M08 12

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